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July 01 アヌシーからの風 3 「カクテル・パーティー前編」昼間の太陽は湖の彼方に消えていった。
銀色の風が水面を渡っていく。
一足早いバカンスを楽しむ人々は好みのレストランのテラスを陣取りアペリティフのグラスを傾けながらメニューに見入っていた。
そんな人たちを横目で見ながら僕とウィリアムは浜辺のパーティー会場へと向かっていた。
すると後ろから声がした。
どうやら新聞記者の人らしいんだか「お富」のことが気に入ったらしく僕らの後を追ってきたと言う。
白髪めがねの新聞記者は早口でよく喋った。
それはまるでタイプライターのキーを高速で打ち続ける様な話し方で、時々立ち止まりながら話した。先を急ぐ僕らは迷惑ながらも話を聞かざるをえなかった。
会場は湖を見渡す浜辺にあった。
入り口にポリスと係りの人がいて招待状を見せるとニコッと笑いボンソワーといった。
大きな仮設テントがいくつもありパーティードレスで着飾った女の人がたくさんいた。
こういう服はこんな所で着るんだと初めて知った。
シャンパンを片手に立つ姿はなんとなくきれいだった。
ちょっと場違いな所に来てしまったような気もするが・・・。
ビュッフェ形式の料理を待つ間もマシンガントーク記者は休みなく喋りつづけ、僕の耳にはすでに
般若心経のように聞こえ始めていた。
全部意味のわかるウィリアムが気の毒だった。
僕はお肉をお皿にたっぷりのせると赤ワインを手にした。
ここサボア地方の赤ワインはブルゴーニュのワインは軽くなめらかで、
ボルドー馴れしている舌に繊細な味わい。
そしてコンテチーズとずっしり重いソーセージをほおばりながらワインをごくごく飲む。
ひたすら美味い。
お腹が一杯になる頃、小さな月が水面に光を落としていた。
まだ記者は話続けている。
そこに一人の日本人が現れた。
それはメールでご挨拶していた御影たゆとさんだった。
御影さんはインデペンデント・アニメの若きクリエーター。コンペティション1に出品されていた作品を
見た僕はぜひともお話したかったのである。
御影さんから東京のクリエーターの話や作品に対する向き合い方など聞けて勉強になった。
一方・・・マシンガントーク記者はまだ休みなく話し続けている・・・。
それを聞いているウィリアムは偉いと思った。
ふと気がつくともう12時近くになっていた。
御影さんはホテルへと戻って行った。
記者も話したい事を全部話したのか席を立った。
そしてウィリアムも別の知り合いとタバコを吸いに何処かに消えた。
そして僕は一人になった。
隣の大きなテントにはDJブースがありパリから来たナントカナントカと言うDJチームが回していた。
深夜を過ぎると人がさらに多くなり盛り上がりをせみ、男同士でキスしている奴とかもいた。
僕はしっくりする自分の居場所がなくてあちこちを彷徨して、もうそろそろ帰ろうかなと思いはじめた
頃「侍モンスター」の監督が僕の視野に入った!
おぉ! ちゃんすー
「あのー初めまして・・・。はまちゃんです。」
アヌシー4に続く
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